優れた統率者とは
統率とは人の心をつかんで引っ張っていくことである。イヤイヤ首に縄をつけて引っ張っても、牛馬同様人間もろくに働くものではない。したがって矛盾するようだが、統率者は下から支持される人間であることが要求される。
下の人が喜んでついてくるためには下の人が共感し、尊敬する心がなくてはならない。金の亡者が「さあかせいでこい!」とムチで追いたてても、誰も本気で動きはしない。
だから「統率」の原点は社長の人間の広さ、深さ、大きさなどにある。これが欠けていれば下の者は必ず逃げて行く。ただ多くの社長が、このことばかり気を遣い、いつもにこにことやさしい顔でいる。
中小企業の経営者は、大組織のリーダーよりもはるかに人間に密着して仕事をする。だからその人間性が常に下から問われる。そこで彼らと家族、仲間になって孤高の企業目標を捨ててしまう。基本をうやむやにしてしまうやさしい気持ちは上に立つ者には有害である。仁慈の人玄徳を孔明に批判されたように、指導者としてはふやけてしまうのだ。
統率とは自分の考え通りに行わせることである。そしてその考えを下が理解してくれればなおよい。だが理解されなくても、被害が予想されても、やるべく決めたことはやるべきである。自分が作った規則規律を厳重に守らせること。自分が出した命令を厳重に行わせ守らせること。いつ、いかなる時も会社中心の意志を貫いていくこと。これが優れた統率者の姿勢である(目染谷和巳著『管理者の人間学』(にっかん書房刊)より)。
社員教育/社員研修の要諦
会社は闘争する組織です。闘争する組織としての会社は、命令と報告というコミュニケーションによってひとつの意志をもった存在となり、その意志は社員の忠誠心によってより強化されます。忠誠心は、「誇り」「信念」「団結」「信頼」「尊敬」といった極めて人間的な心の状態から起こりますが、これらは個々の社員の人間としての能力の高さに依存して生まれます。この「能力」とは、ひとつには「挨拶」「返事」などの礼儀やマナーに係ることであり、あるいは「大きくはっきりとした発声」「機敏な動作」「整理整頓」といった行動に係ることであります。またひとつには、正しい日本語による「読み」「聞き」「書き」「話し」「計算する」という基礎的コミュニケーションに係る能力のことでもあります。
こうした能力を経営者を含む社員一人ひとりが身につけることにより、会社は明るく、いきいきとした存在に生まれ変わるのです。したがって、企業における社員教育、社員研修とは、本来このような能力を企業の意志で身につけさせるものでなければならないのです。
上記のことは、1980年代から著書や講演を通じて繰り返し述べてきたところであり、詳しくは拙著(「著書一覧」)をご参照ください。また、これらの考えに基づく社員教育、社員研修については、㈱アイウィルにて実践をしております。㈱アイウィルまでお問い合わせください。
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